千葉県大多喜町――養老渓谷や房総の小江戸として知られるこの町には、訪れた人の心とお腹を満たす特別な御膳があります。その名も「大多喜里山膳」。
大多喜里山膳とは?

「大多喜の土地で採れた食材を、大多喜の地で食べるのが一番美味しい」
そんな思いを込めて生まれたのが、大多喜里山膳です。
テーマは 「喜産喜消」。
竹の子や自然薯、猪肉といった山の恵み、豆腐や湯葉などの加工品――大多喜で育まれた食材を中心に、町内の飲食店が腕を振るって仕上げるオリジナル御膳。それが「大多喜里山膳」です。
同じ名前でもお店ごとに工夫が異なり、里山ならではの味覚を楽しめるのが魅力。のぼり旗の掲げられた店で出会えるので、町歩きや観光の合間にぜひ立ち寄ってみましょう。
名前に込められた意味
「大多喜」という町名自体が「大きく、多くの喜び」という縁起の良い意味を持ちます。その「喜」の文字は草書体で表現され、七十七にも分解できることから、七福神などの縁起に通じています。
さらに「里山」は大多喜の豊かな自然を象徴し、「膳」は城下町の歴史や格式を思わせる言葉。つまり「大多喜里山膳」という名前そのものが、この町の風土・歴史・食文化を凝縮したストーリーなのです。
大多喜の食材と代表的なグルメ

春の味覚・筍(たけのこ)
大多喜は「たけのこの里」としても知られ、柔らかく甘みのある筍は里山膳の主役級。筍ご飯や若竹煮、天ぷらなど、季節ごとに多彩な料理で登場します。
山の滋味・自然薯
ねばり強い自然薯は、滋養たっぷりの山の恵み。とろろご飯や揚げ物、すりおろして膳の小鉢に添えられることも多く、大多喜らしい素朴な美味しさを感じられます。
ジビエ・猪肉
古くから大多喜の山で親しまれてきた猪肉。里山膳では、しし鍋や味噌焼き、しぐれ煮などとして登場。脂は甘く、野趣あふれる風味が楽しめます。
大多喜の豆腐・湯葉
清らかな水と伝統の技で作られる豆腐や湯葉は、里山膳を彩るやさしい一品。上品な味わいは、竹の子や自然薯と好相性です。
地元の米と野菜
棚田で育ったコシヒカリを炊いたご飯、四季の野菜を使った煮物や和え物。里山ならではの素朴で力強い美味しさは、御膳の脇役として欠かせません。
観光とあわせて楽しむ

- 養老渓谷のハイキング:新緑や紅葉を眺めた後は、猪肉料理や筍ご飯でエネルギー補給。
- 大多喜城の散策:城下町の風情ある街並みを歩き、里山膳で地元の食文化に触れる。
- 季節の花めぐり:アジサイやもみじとあわせて、旬の筍や山菜を味わうのもおすすめです。
まとめ
「大多喜里山膳」は、ただのご飯ではなく、大多喜の自然・歴史・文化をまるごと味わえるごちそう。
観光とグルメを一度に楽しめる里山の御膳を、ぜひ旅のプランに組み込んでみてください。
きっと旅の思い出に「大きく多い喜び」が添えられるはずです。